Seunghoon Choi

AI時代の学校:知識より実務感覚を教えるべきだ

知識の説明はAIのほうが上手い。学校は、実務概念を現実に当てはめる方法を学生に教えるべきだ。

目次

AIを使いながら小さな装置を一緒に点検する学生たち

AIを使う授業は、学生が答えを書き写す時間ではなく、答えを確認して直す時間であるべきだ。

学生がAIに「この資料を表にまとめて」と言えば、数秒後に表が出てくる。「高校生にもわかるように説明して」と言えば、AIは説明の難しさを下げる。「発表資料に変えて」と言えば、AIは目次とスライドの下書きを作る。

資料調査、要約、文章作成、コーディング、表の整理、発表資料作りは、すでにAIが速く処理できる仕事になっている。まだ人間の指示と検討は必要だが、学生が一人で資料を探し、文章や表やスライドを作っていた多くの課題は、これからますますAIが代わりに処理する。

そうなると、学校が今のように知識を説明し、学生に覚えさせ、試験用紙に答えを書かせることに大半の時間を使う方式は続きにくい。

学校は知識より実務感覚を教えるべきだ。学生はAIの使い方だけを覚えても足りない。学生は実務概念を学び、その概念を実際の人、実際の物、実際の現場に当てはめてみる必要がある。学生はAIが出した答えが現実で合っているかを確認し、間違った部分をまた直してみる必要がある。

知識の説明はAIのほうが上手い

学校にとっては聞きたくない話かもしれない。だが知識の説明だけを見れば、AIはすでにかなり上手い。

学生が授業を理解できなければ、AIはもう一度説明する。それでもわからなければ、もっと簡単に説明する。学生が別の例を求めれば、AIは別の例を出す。AIは数学の問題を段階ごとに解き、英語の文章を直し、歴史の出来事を流れに沿って整理する。学生は同じ質問を何度しても気まずくならない。

もちろんAIは間違ったことも言う。だから学生はAIの答えを疑い、検証する方法を学ぶ必要がある。しかし概念を説明する仕事そのものは、もう学校だけの強みではない。学生に知識を伝える機能だけで見れば、AIは教科書より親切で、塾より安い。

それでも多くの学校はまだ以前の方式で授業をしている。先生が説明し、学生が書き取り、試験期間に覚えて答えを書く。課題も似ている。学生は資料を探し、要約し、レポートを書き、発表資料を作る。

問題は、こうした課題の多くが資料を探し、文章や表やスライドを作るところで終わることだ。一人でコンピューターで済む課題は、AIがもっとも速く代替する。

高校がいちばん大きく変わるべきだ

大学も変わるべきだが、より大きな問題は高校だ。

高校は今も、正解を速く見つける訓練にあまりに多くの時間を使っている。学生は概念を覚え、問題を解き、間違えた型をまた覚える。良い点数は、誰がより速く正確に正解を書けるかで決まる。学生は問題を解く人として訓練される。もっと正確に言えば、決められた答えを取り出す人として訓練される。

基礎力は必要だ。学生は計算もするべきだし、文章も読むべきだし、最低限の知識は頭に入れておくべきだ。問題は比重だ。今の学校は、正解を当てることに時間を使いすぎている。学生が自分で問題を決め、外に出て確認し、失敗したあとで直す時間は少なすぎる。

AI時代には、学校の時間の使い方が変わらなければならない。正解探しはAIが得意だ。学生が学校でさらに学ぶべき仕事は、現実の中で問題を見つけることだ。学生はAIの答えから抜けている条件を探す必要がある。学生は他人が与えた問題を解くだけで終わらず、実際の人が感じている不便を確認する必要がある。

高校から変わるべきだ。学生が12年間、正解合わせだけに慣れてしまうと、大学で急に実際の問題を扱うのは難しい。学校が学生を正解合わせに慣れさせておきながら、あとになって学生に創造力が足りないと言うべきではない。

新卒が担当していた仕事をAIが代わりにする

新卒はこれからも必要だ。会社には新しい人が入り続けなければならない。誰かが次の実務者になり、誰かが次のチーム長になる。問題は、新卒の必要性がなくなったことではない。新卒が会社で最初に任されていた仕事を、AIが代わりにすることだ。

以前の会社は、新卒に比較的やさしい仕事を任せた。新卒は資料を探し、顧客企業を調べ、議事録を整理し、報告書の下書きを書いた。開発職の新卒は簡単なコード修正やテストを担当した。会社にとって、こうした仕事は大きな成果ではなかった。しかし新卒にとっては重要な学習過程だった。

新卒はやさしい仕事をしながら会社の仕事を学んだ。どの資料が使えるのか、報告書はどこまで書くべきなのか、数字はどこで間違いやすいのか、上司はなぜ特定の質問をするのかを覚えた。会社はやさしい仕事を通して、新卒に働き方を教えた。

今はAIがやさしい仕事を速く処理する。AIは資料を調べ、内容を要約し、下書きを書き、表を整理し、簡単なコードを作る。経験者がAIを使えば、以前なら新卒数人が処理していた仕事を、より短い時間で終えられる。会社の立場では、新卒を教育するためにやさしい仕事を別に任せる理由が減る。

だから新卒に求められる基準が変わる。会社は「まだ知りませんが、一生懸命学びます」という言葉だけでは足りないと感じる。会社は新卒にも最低限の実務感覚を期待する。新卒は仕事をどう分けるか、AIに何を頼むか、AIが出した結果のどこを疑うか、実際の状況で何を確認するかを知っていなければならない。

ここで学校の責任は大きくなる。会社がやさしい仕事で新卒を長く育てにくくなるなら、学校が入社前の訓練を一部引き受ける必要がある。学生は卒業前に、実務概念を一度は最初から最後まで適用してみるべきだ。学生はAIで調査し、下書きを作り、その下書きを実際に使う人に見せ、合わない部分を直す必要がある。

AI時代の学校:知識より実務感覚を教えるべきだ

学生が教室の外でAIの答えに抜けた条件を見つけると、次に答えを読むときも何を疑うべきか覚えやすくなる。

学生はAIの答えが実際の状況に合うかを見るべきだ

これからの新卒は、AIに構造化された仕事を頼めなければならない。新卒が「これやって」と丸ごと任せる段階にとどまるなら、会社はその人を高く評価しにくい。新卒はAIに、調べる内容、比較する基準、下書きの目的、計算条件、検討基準を分けて指示する必要がある。そしてAIが出した結果が実際の状況に合っているかを確認する必要がある。

会社の仕事には、画面や文書には書かれていない条件が多い。物は遅れて届き、顧客は言葉を変え、装置は計画どおりに動かない。人は文書に書かれていない理由で反対する。AIが作った答えはきれいに見えても、実際の状況では条件が抜けていたり、費用が合わなかったりする。

だから学生は人に会うべきだ。学生は物を直接見るべきだ。学生は装置を扱ってみるべきだ。学生は利用者が実際に何を不便に感じているのかを聞くべきだ。学生はAIが作った計画を実際の状況に当てはめ、合わない部分をまた修正するべきだ。

実務感覚は講義を聞くだけでは生まれない。問題集をたくさん解いても、実務感覚は生まれない。学生が実際の人と実際の条件を相手にしてみて、初めて実務感覚が育つ。

学校は実務概念を実際の問題に適用させるべきだ

学校が変わるという言葉は、大げさなスローガンではない。学校が授業の中で、実務概念を実際の問題に適用させるべきだという意味だ。

学生が自分で問題を決めるべきだ。学生がAIで下書きを作るべきだ。学生がその下書きを実際に使う人に見せ、何が足りないのかを聞くべきだ。その人が本当に不便を感じているのかも確認するべきだ。学生が作った成果物が実際に役立つのかを見て、役立たないなら、なぜ役立たないのかをまた考えるべきだ。

高校生にもできる。学生は学校内の無駄を減らすツールを作ってみることができる。地元の店の不便な業務を調べることもできる。友人が実際に使う小さなアプリや文書を作ることもできる。大事なのは規模ではない。実際の利用者がいて、実際の反応があり、もう一度直す作業があるかどうかだ。

大学はもっと強く変わるべきだ。工学の授業は装置、データ、実際の条件を扱うべきだ。経営の授業は顧客、価格、販売を扱うべきだ。人文学の授業も、文章を書いて提出するだけで終わらず、実際の読者が読み、反応する成果物まで扱うべきだ。

起業教育も重要になる。すべての学生が起業家になるべきだという意味ではない。学生は小さなサービスでも、自動化ツールでも、製品でも、レポートでも、誰かに実際に必要な成果物を作ってみるべきだ。学生は成果物を見せ、断られ、また直すべきだ。その過程が学生に実務感覚を作る。

学校は学生に成果物を残させるべきだ

これから良い学校の基準は変わる。知識をたくさん説明する学校が、ずっと良い学校として評価され続けるのは難しい。知識の説明はAIがとても上手い。

良い学校は、学生がAIを使いながら実務概念を実際の問題に適用するようにする学校だ。良い学校は、学生が教室で学んだ内容が実際の状況でなぜ合わないのかを確認するようにする学校だ。良い学校は、失敗を点数で終わらせず、学生が失敗した成果物をまた直すようにする学校だ。

AI時代にも新卒は必要だ。ただし、AIの答えと文書だけを扱える新卒は評価が下がる。会社が探す人は、AIを最後まで活用しながらも、実務概念を実際の状況に適用したことがある人だ。

高校も大学も、同じ質問を受けるべきだ。学生が卒業するときに残るものは試験の点数だけなのか。それとも、学生が実際の人に見せ、断られ、直してみた成果物が一つでもあるのか。

これから学校は、試験の点数だけが残る学生と、成果物を残す学生の違いを作るべきだ。学生は机の前でAIを使い、そのあと席を立って実際の人に会うべきだ。学生は実務概念を頭で理解するだけで止まらず、その実務概念が現実で動くのかを確認してみるべきだ。